徳川美術館クラウドファンディング支援者ご芳名一覧
徳川美術館館長の徳川義崇です。この度は多くの皆さまから多大なるご支援を頂戴し、衷心より深く御礼申し上げます。
徳川美術館ではこれまでにも募金活動を行ってきましたが、クラウドファンディングを利用したのは今回が初めてのこととなります。私共の予想を上回り、大変多くの方からご支援いただいた結果として、当初の募金目標の1,000万円は2日もかからずに達成し、最終的には延べ2,501人の方々から2,950万円以上ものご支援をいただきました。
クラウドファンディングで多くの方にご支援いただくためには、建物の修理や文化財の修復など、具体的な事業目標を掲げた方が理解を得やすい一方で、せっかくご支援いただいた資金の使途が限られてしまうというデメリットがあります。幅広い使途にご支援を使えるように、「文化財を未来へつなぐためのご支援を」というプロジェクト名でクラウドファンディングを実施することにいたしましたが、具体性に乏しい募金プロジェクトをご支援いただけるものか、不安を抱きながらのスタートとなりました。
しかしながら、私共の不安は募金開始から数時間のうちに杞憂に過ぎなかったことがわかりました。瞬く間に増えていく募金額にも驚きを隠せませんでしたが、それ以上に私共が驚いたのは、多くの方からの心のこもった応援メッセージでした。
「名古屋の誇りです」という応援メッセージからは、地元の方から愛されている美術館であることが、「とくび」という若い女性の方を中心に定着している徳川美術館の愛称からは、幅広い年齢層の方からご支援いただいていることが、そして、「文化財を未来へ」というメッセージからは、文化財を守ることの大切さに共感していただいていることがわかり、美術館の運営に携わる者として、これ以上ない喜びを感じることができました。
徳川美術館には1万件余りの収蔵品があります。この中には、国宝9件・重要文化財59件が含まれていますが、これらは収蔵品の1%にも満たない件数です。国宝や重要文化財の修復にかかる費用については、国や県から補助金が交付されますが、残る99%以上もの収蔵品の修復は、基本的に自費で行う必要があり、徳川美術館に限らず、多くの美術館にとって、保存・修復にかかる経費は運営の大きな負担となっています。
この度皆様方からご支援いただいた資金は、1円たりとも無駄にすることなく、文化財を未来へつなぐことに使用することをお誓い申し上げ、御礼の言葉とさせていただきます。