特別公開
国宝 源氏物語絵巻
〈蓬生・柏木 二〉
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徳川美術館の至宝であるばかりでなく、わが国の代表的な美術品である、国宝「源氏物語絵巻」は、王朝時代の人々の雅びやかな暮らしぶりを余すところなく伝えてくれる現存最古の物語絵巻です。毎年11月下旬には、この絵巻から数場面を選んで特別公開をしています。もともとは巻物として伝わり、昭和7年(1932)に保存のために額面装に改装されていました。近年、額面装による本紙への負荷を軽減するために再び巻物装に戻し、一場面ごとに絵と詞書を一巻の巻物に仕立て、絵巻本来の姿で鑑賞いただけるようになりました。
2022年は、蓬生と柏木(二)の2巻を特別公開いたします。
当館所蔵の「国宝 源氏物語絵巻」15場面の詳細は「国宝 源氏物語絵巻の世界へようこそ」にて、絵と場面解説で紹介しています。
見どころ
■ 蓬生
光源氏が須磨・明石に逃れている間、都でその庇護にあった女性たちは苦難を強いられていました。故常陸宮の姫君・末摘花もその一人です。
帰京した翌年、初夏の雨上がりの月夜、源氏は荒れ果てた邸の前を通りかかり、大きな松に懸かる藤の花や邸のたたずまいから、そこが故常陸宮の邸であったことを思い出します。従者の惟光を末摘花に仕える老女房のもとにやって源氏の来訪を告げさせ、邸の中に進みます。源氏はひたすらに自分を待ち続けた末摘花の誠実さに心を打たれ、涙して和歌を詠みます。
■ 柏木(二)
光源氏の妻・女三宮と密かに通じ、自責の念から重い病にかかった柏木は、女三宮の出家を聞いていっそう衰弱しました。
病状を心配した帝により、柏木は急遽、権大納言に昇進することとなります。その祝いを兼ねて見舞いに訪れた親友の夕霧(源氏の息子)と病床の柏木は、病気平癒の加持祈祷をしていた僧をしばらく外に出し語り合います。横になっている柏木の体調を気遣い、夕霧は几帳の端を引き上げ話しかけます。
死期を悟った柏木は、夕霧に妻・落葉宮を託し、また自らの罪をほのめかし、源氏に許しを請うてくれるよう頼みつつ別れを告げます。
概要
公開期間 | ~ |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 |
一般 1,200円・高大生 700円・小中生 500円 |
主催 | 徳川美術館 |
展覧会図録 |
【関連図録】 「国宝 源氏物語絵巻」(2015)2300円(税込) 「はじめての源氏物語 全五十四帖のあらすじ」(日本語・英語併記)400円(税込) |
関連企画 |
■トクガワナイトミュージアムPREMIUM 源氏夜会 |