畳泉密竹図<br /><small>山本梅逸筆</small>

畳泉密竹図
山本梅逸筆
じょうせんみっちくず

花鳥画で有名な梅逸(ばいいつ)ですが、山水画にも見逃すことのできない作品は多くあります。細かな線のみで描き出された景は、繻子織(しゅすおり)の下地(絖本(こうほん)、サテン)によくなじみ、湿潤な大気を感じさせてくれます。遠くと近く、2つの滝の音が竹林越しに聞こえてくるようです。この種の山水図につきものの茅屋(ぼうおく)や高士の姿は描かれていません。そうしたものを描かずに、文人の理想郷を描き出す手腕は見事という他はありません。

※展示期間:2025/2/1~3/2

【重要美術品 江戸時代 19世紀】