花卉草虫図<br /><small>山本梅逸筆</small>

花卉草虫図
山本梅逸筆
かきそうちゅうず

大きな画面に、四季の草花類をこれでもかと展開させ、そこに昆虫類を描き込んでいます。詰め込みすぎとの誹(そし)りには当たらないことは、細部を見れば納得できます。セミやアゲハチョウからオケラにいたるまで、昆虫類の写生は全く正確無比、驚きの世界が展開しています。重なり合う葉も濃淡に十分な配慮がなされ、無駄な描写は見られません。花弁のグラデーションは、長崎派の遺風を感じさせますが、それを変容させた別世界がここにはあります。

※展示期間:2025/2/1~3/2

【弘化元年<1844> 名古屋市博物館蔵】