神洲奇観図<br /><small>丹羽嘉言筆</small>

神洲奇観図
丹羽嘉言筆
しんしゅうきかんず

35歳で名古屋の東部・川名の般若台に隠居を果たして、詩作、画作三昧の生活を送り、中国の文人思想を体現した丹羽嘉言(にわかげん・1742~86)の作。平安時代以来の名所でもあった富士山を、爽やかに写生的に描いています。とはいえ、現代の写生画とは異なり、対象の「真」なる景を描き留めようとする中国の「真景」論にもとづく作画と考えられます。嘉言の作品が、当地の知識人たちに愛されたのは、文人的な生き方や作画態度があってこそです。

※展示期間:2025/2/1~3/2

【明和7年<1770>頃 名古屋市博物館蔵】