舞楽図巻
2巻の内
ぶがくずかん
『枕草子』の「舞は」の段には、東遊(あづまあそび)の求子舞(もとめごまい)や太平楽(たいへいらく)などの曲名が挙げられ、『源氏物語』の「紅葉賀」帖に青海波(せいがいは)が登場するように舞楽が物語の進行と結びつくなど、舞楽が貴族の生活の中に深く浸透していた様子がうかがえる。
本品は宮廷や寺社で上演された舞楽(ぶがく)を、曲ごとに描いた巻物である。上巻の巻頭には幔幕(まんまく)・大太鼓(だだいこ)・大鉦鼓(おおしょうこ)を配し、高舞台で鉾(ほこ)を執って舞う清めの舞「振桙(えんぶ)」が描かれている。下巻には、幔幕を張り巡らせた楽舎の前で、唐楽「陵王(りょうおう)」、高麗楽「納曽利(なそり)」が描かれている。
【江戸時代 18世紀】