国宝
宇治香箱 うじこうばこ
香合せは数種の香をたいて香りを聞き分けて賞玩し、その当否を競う遊びである。本品は解答を示す香札を納めるための箱で、「宇治香」と呼ばれる香合せに用いられる。箱の蓋表には「宇治香箱」の文字と平等院や鐘楼、四側面にわたって宇治の風景が精緻な蒔絵であらわされている。箱の中には、「宇治十帖」の帖名を蒔絵で記した桔梗花形の香札各6枚ずつ合計60枚を納める。香札の裏には、薫・匂・霞・桜・桐・紅葉の文字が蒔絵であらわれている。
霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用。
【江戸時代 寛永16年<1639>】