源氏物語絵巻(盛安本)桐壺
詞書 九条幸家ほか・絵 市川光重筆
げんじものがたりえまき(もりやすぼん) きりつぼ
第1帖「桐壺」の物語全文を書写し、詞書18段・絵15図を3巻に構成した豪華な絵巻である。絵の場面数の多さと、別れや凶事の場面も採り上げられている点に大きな特色がある。
絵巻の企画者とみられる杉原盛安(もりやす)による奥書には、「源氏物語の心をもらさず、絵に書あらはし」たいと絵巻製作を思い立ったと記されている。このほか「帚木(ははきぎ)」「末摘花(すえつむはな)」「葵」巻や絵の断簡が次々と確認され、「幻の源氏物語絵巻」として注目されている。
【江戸時代 明暦元年<1655> 個人蔵】