紫式部図<br /><small>近衛家熈賛・狩野岑信筆</small>

紫式部図
近衛家熈賛・狩野岑信筆
むらさきしきぶず

 豪華な裳唐衣(もからぎぬ)の装束を身にまとった紫式部が、机に向かって筆を執り、今しも物語を書き始めたところを描く。上部の色紙形の右の一枚は、天台宗に説かれる四諦(したい)の法門の文言で、左2枚は紫式部が石山寺の源氏の間に書き付けたと伝説がある和歌である。絵は、徳川将軍家の奥絵師・狩野岑信(みねのぶ/1662~1709)、書は公卿で平安時代の上代様(じょうだいよう)の書の復興を志した公卿近衛家熈(いえひろ/1667~1736)による。

【江戸時代 17-18世紀 滋賀・石山寺蔵 展示期間:2024/10/16~11/4】