紫式部観月図
清原雪信筆
むらさきしきぶかんげつず
石山寺に参籠した紫式部が、琵琶湖に映る十五夜の月を見て「今宵は十五夜なりけり」と『源氏物語』を「須磨」帖から書きはじめたという伝説に基づく図である。眼下に広がる湖水を前に、文机に向かい、筆を執る紫式部の姿が描かれ、周囲の紅葉が秋の風情を伝える。筆者の清原雪信(ゆきのぶ/1643~82)は、紫式部をはじめ女性を主題とした画題や源氏絵を数多く手がけ、当時随一の女流画家として名声を博した。
【江戸時代 17世紀 滋賀・石山寺蔵 展示期間:2024/9/22~10/14】