黒塗勝糸威鎧 くろぬりかちいとおどしよろい
当世具足の胴に大袖を付けるなど、完全な大鎧形式ではありませんが、江戸時代中期以降に盛んに製作された復古調鎧の一種です。小札・草摺・錣を金箔置きとし、籠手の手先筒には蒔絵で龍を施すなど、尾張徳川家の御曹司が着用するに相応しい作りとなっています。着用者の松平勝長(かつなが/1737~1811)は、尾張徳川家8代宗勝(むねかつ/1705~61)の六男で、従四位下左近衛権少将という官位を得ましたが、独立した大名とはならず、明和7年(1770)以降は名古屋城東御殿(三之丸御屋形)で暮らしました。
【江戸時代 18世紀】