朱塗啄木糸威具足<br /><small>春田吉次・加藤彦十郎作</small>

朱塗啄木糸威具足
春田吉次・加藤彦十郎作
しゅぬりたくぼくいとおどしぐそく

本品には寛永3年(1626)に尾張徳川家初代義直が三領作らせ、弟の頼宣(紀伊家初代)・頼房(水戸家初代)にそれぞれ一領ずつ贈ったという記録が伴っています。作者は尾張の具足師たちで、春田吉次が鍛冶、塗と威は加藤彦十郎が携わりました。兜と胴には鉄炮試し撃ちの跡が残っています。啄木(たくぼく)糸とは、白・萌黄・紫などの色糸を交えて組んだ紐で、キツツキの啄(ついば)んだ跡に似ているところから生じた呼び方です。

【江戸時代 寛永3年<1626>】