雲龍文螺鈿盆

雲龍文螺鈿盆 うんりゅうもんらでんぼん

江戸時代の琉球国王は、薩摩藩島津家と中国の双方に仕える体制を採っており、特に中国向けの贈答品としてこのような盆は貝摺(かいずり)奉行所でさかんに製作されました。
五爪龍(ごづめりゅう)は中国皇帝の象徴で、龍の意匠の中でも最高級の意匠です。龍の顔・足・胴などのパーツごとに薄貝(うすがい)を切り出して形作っています。また龍の鬣(たてがみ)や鱗(うろこ)は黒漆を塗って貝を押さえ、研ぎ出してから毛彫りして表しています。龍の尾には8センチにもなる大きな薄貝を用いており、技術力の高さがうかがえます。

【琉球時代 18-19世紀】