花鳥七宝繋文密陀絵沈金御供飯

重要文化財

花鳥七宝繋文密陀絵沈金御供飯 かちょうしっぽうつなぎもんみつだえちんきんうくふぁん

御供飯は半球形の蓋に、高い脚のある琉球独自の器で、祭祀道具として用いられました。全体が朱漆で塗られ、その上に沈金(ちんきん)や密陀絵(みつだえ)が施されています。
脚の部分は寄木造のように複数の木材を組み合わせて作られています。蓋は上部から側面にかけて、こんもりとした曲面になっています。木材をお椀のような曲線を持つ形にする方法として、一般的には刳物(くりもの)と呼ばれる、鑿(たがね)や鉋(かんな)で刳り抜く方法、挽物(ひきもの)と呼ばれる、ろくろを使って加工する方法があります。しかし、これは巻胎(けんたい)というテープのような細い木材をぐるぐる巻きにして曲面を形作り、その上に蓋の上部となる板を嵌め込んで作られています。
かつては知ることのできなかった内部構造を、CTやX線を用いた最新の科学技術による画像もまじえてご紹介します。
徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所用。

【琉球時代 16-17世紀】