仏涅槃図

仏涅槃図 ぶつねはんず

元禄6年(1693)12月24日、尾張徳川家2代光友側室の勘解由小路(かでのこうじ/1627~1705)が寄進した品です。
仏教の始祖である釈迦が、この世から去った場面が描かれています。瑞雲が立ち込める中、天から釈迦の母・摩耶夫人(まやぶにん)が駆けつけ、沙羅双樹(さらそうじゅ)の間に横たわる釈迦の周りでは菩薩や仏弟子・天部(天界に住む護法神)・動物らが哀しみに暮れています。金彩を加えた華麗な色彩と、細密な描写が、本図に圧倒的な存在感を与えています。

【江戸時代 17世紀 建中寺蔵 (写真提供:株式会社便利堂)】