唐物茶壺 銘 夕立
大名物
からものちゃつぼ めい ゆうだち
白化粧土が施された上に、首から胴下部に至るまでむらむらと幾重にも飴色の釉が雪崩(なだ)れ掛かり、夕立雲が湧き起っているかのようです。胴部に走る貫入(かんにゅう)を繕った銀漆も、稲妻のような効果を上げています。茶壺の銘は、謂れや由緒・所蔵者・形姿などにちなんで与えられますが、この「夕立」の銘は壺の景色から付けられたとみられます。
【徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所用 南宋~元時代 13-14世紀】