国宝
胡蝶蒔絵枕香炉 こちょうまきえまくらこうろ
『源氏物語』第二十四帖「胡蝶」に取材し、春爛漫の最も美しい季節を迎えた、光源氏の大邸宅・六条院の春の町が精緻な蒔絵であらわされています。八重、一重の桜や山吹が咲き誇り、池には鴛鴦(おしどり)が遊び、唐風めかした龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)を飾った船が浮かぶ、絵を見るように美しい情景です。銀の金貝(かながい)を立体的に盛り上げた桜の花がひときわ白く輝き、清新な華やかさがあります。
【霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 江戸時代 寛永16年<1639>】