広沢切 伏見院御集<br />「寄舟述懐」<br /><small>伏見天皇筆</small>

広沢切 伏見院御集
「寄舟述懐」
伏見天皇筆
ひろさわぎれ ふしみいんぎょうしゅう「ふねによするじっかい」

伏見天皇が自らの詠草を歌集に編纂するにあたり製作した草稿で、もとの巻子本が分断され、諸家に分蔵されています。
伏見天皇は歴代屈指の能書で、小野道風や藤原行成ら偉大なる先人たちの筆蹟を愛蔵し、書を修練しました。『増鏡(ますかがみ)』に「御手もいとめてたく、昔の行成の大納言にもまさり給へる」と称賛され、その書風は変幻自在です。本品では、力強くリズミカルな筆致で和歌が染筆されています。

【重要美術品 勅使河原順三・千代子氏寄贈 鎌倉時代 13~14世紀】