唐紙拾遺和歌集切<br />「東路の」 <br /><small>伝源俊頼筆</small>

唐紙拾遺和歌集切
「東路の」 
伝源俊頼筆
からかみしゅういわかしゅうぎれ

藤原公任の撰になる『拾遺抄』十巻を増補して、寛弘2~4年(1005〜7)頃に成立したとされる三番目の勅撰集『拾遺和歌集』二十巻を、水辺の景の模様を雲母(きら)で刷りだした料紙に染筆しています。現在本品を含めこれまで五葉が確認されています。
伝称筆者を源俊頼(としより)としていますが、枯淡でいて線が太く筆力のある書風で染筆されており、料紙の装飾とあわせれば12世紀末から13世紀初頭頃の遺墨と考えられます。

【勅使河原順三・千代子氏寄贈 平安時代 12~13世紀】