登城行列図 とじょうぎょうれつず
これまで「参府行列図」と紹介されてきた図ですが、供の者が裃(かみしも)を着用しており、しかも足に脚絆(きゃはん)をつけていないことから、参勤交代の行列図ではなく、尾張家当主の江戸の屋敷から江戸城へ向かう際の登城行列図と考えられます。
江戸城に登城する際の江戸市中供連(ともづれ)では、御三家の供侍(ともざむらい)は平日麻裃を着用し、下層の供はみな黒絹羽織袴を着用しました。前から6人目には剃髪している同朋(どうぼう)が確認でき、同朋を召し連れることができたのは御三家に限られていました。
【徳川美術館蔵 江戸時代 19世紀】