国宝
納涼図屛風
二曲一隻
久隅守景筆
のうりょうずびょうぶ
満月が辺りを照らしだす夏の夕べ、夕顔の棚の下で、のんびりと夕涼みをする親子三人。父親の手足を太目の濃墨、母親の上半身をしなやかな細い線で描き、月の白さは周囲を薄くぼかしてあらわす。筆墨を巧みに使い分けつつも、薄墨を基調として一つのまとまりをみせており、画家・久隅守景(くすみもりかげ/生歿年未詳)の並々ならぬ力量がうかがわれる。
農村の何気ない生活の一光景ながら、人間に対するやさしいまなざしにあふれており、泰平の世を端的に象徴した江戸時代を代表する名画である。
展示期間:2023年9月24日(日)~10月15日(日)
画像提供:TNM Image Archives
【江戸時代 17世紀 東京国立博物館蔵】