重要文化財
歌舞伎図巻
二巻
かぶきずかん
出雲のお国が創始した歌舞伎踊りは人気を博し、たちまち数多くの追随者を生んだ。本巻の主人公采女(うねめ)もその一人。「ふじのおどり」など5種の踊歌と踊りの図、最後に采女が男装して踊る「茶屋遊び」の場面で構成される。囃子は三味線がない初期女歌舞伎の様相を示す。歌舞伎踊りだけでなく、小屋内外の描写にも優れ、服飾描写に卓越したこだわりをみせる。
肩衣(かたぎぬ)や小袖の形式など風俗描写の年代は、慶長年間(1596~1615)末期に求めることができる。修理の際、旧見返しの裏面に葵紋があったことから徳川一門の特注品とみられる。
(会期中巻き替えあり)
【江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵】