紫地萩に葵紋散綾狩衣 むらさきじはぎにあおいもんちらしあやかりぎぬ
狩衣は、表裏の色の取り合わせにより美を表現する襲色目(かさねいろめ)が見どころの装束です。本品は、表地が薄紫色、裏地が萌黄(もえぎ)色の「紫苑(しおん)」と名付けられた色目で、6月から9月頃に着用します。袖口の括り紐は、若年用の「薄平(うすひら)」と呼ばれる組み方、指貫も紫地に白で密に文様が入った若年用です。華麗な色や仕立てで若々しさを示しつつ、季節感もしっかり意識した、おしゃれな着こなしです。
徳川宗春(尾張家7代)着用。
【江戸時代 18世紀 展示期間:2023年6月28日~7月17日】