高取肩衝茶入 銘 染川<br /><small>中興名物</small>

高取肩衝茶入 銘 染川
中興名物
たかとりかたつきちゃいれ めい そめかわ

高取焼茶入の中でも最も景色に優れた茶入で、『古今名物類聚』に記載がある。福岡黒田家二代忠之(ただゆき)から銘を頼まれた小堀遠州が、本品を目にした人で魅了されない人はいないという意味で、『伊勢物語』六十一段の「染川を わたらむ人の いかてかは いろになるてふ ことのなからむ」(染川〈現在の福岡市中央を流れる御笠川〉を渡る者がどうして色に染められないでいようか)に因んで名付けている。本品は複雑に掛け分けられた鉄釉や藁灰釉(わらばいゆう)などの釉薬が、華麗なまでの景色を呈している。
『古今名物類聚』『麟鳳亀龍』『大正名器鑑』ほか所載。

【江戸時代 17世紀 個人蔵(展示期間:2022/9/17~10/16)】