千利休竹茶杓 銘 泪
大名物
せんのりきゅうたけちゃしゃく めい なみだ
千利休の茶杓として最も名高い品で、『玩貨名物記』に「なみた 利休作織部所持 尾張様」とあり、古田織部が所持していたとされる。
真削りし、面取を施した筒の向かって右傍らに横長の窓をあけ、外面を真塗とする。茶杓は、櫂先(かいさき)が中央に一本の溝が走る一本樋(いっぽんひ)である点や、節の高い竹を用いて裏刳(ぐ)りを深く入れた蟻腰(ありごし)である点など、利休の茶杓の特徴を完備している。全体的に慎ましやかながらも重厚感を備えた優品である。
『玩貨名物記』『古今名物類聚』ほか所載。
【桃山時代 16世紀 徳川美術館蔵(展示期間:2022/10/18~11/6)】