瀟湘八景 洞庭秋月図
伝牧谿筆 大名物
しょうしょうはっけい どうていしゅうげつず
南宋時代末期から元時代初期の画僧・牧谿(もっけい)による中国・湖南省の洞庭湖(どうていこ)に注ぐ湘江(しょうこう)と瀟水(しょうすい)流域の景勝八図を描いた、「瀟湘八景図」の一幅とされ、古来、東山御物として有名である。
足利将軍家で巻物から掛幅に分割・改装され、室町時代末期には同家から散逸し、以後、天下人や茶人たちによって名物としてもてはやされた。
本幅は墨色の微細な階調の変化で、月の浮かぶ夜の湖畔の光と水と大気を表した名画である。昭和18年収蔵。『清玩名物記』『山上宗二記』『玩貨名物記』ほか所載。
【南宋時代 13世紀 徳川美術館蔵(展示期間:2022/10/18~11/6)】