太刀 無銘<br /><small>号 獅子王 </small>

重要文化財

太刀 無銘
号 獅子王
たち むめい
ごう ししおう

獅子王の名は、平安時代後期の武将・源頼政(よりまさ)が怪物・鵺(ぬえ)を退治し、天皇から賜った剣の名として『平家物語』に語られ、著名であった。
本刀は慶長5年(1600)、土岐頼次(よりつぐ/1545~1614)が徳川家康に初めて拝謁した際、頼政の子孫であるとして家康より賜った品と伝わる。頼次歿後も土岐家に伝来し、明治15年(1882)、明治天皇に献上された。
細身で腰から強く反る平安時代の古雅な姿である。柄・鞘・金具を全て黒漆塗とした拵は、武家に常用の形式で質実な存在感がある。

【平安時代 12世紀 東京国立博物館蔵】