御鍬祭真景図略<br /><small>三冊の内 第二冊<br />小田切春江転写</small>

御鍬祭真景図略
三冊の内 第二冊
小田切春江転写
おくわまつりしんけいずりゃく

本書は三冊からなり、第二冊は尾張藩士・高力種信(こうりきたねのぶ)(猿猴庵(えんこうあん))の原本をもとにした小田切春江(おだぎりしゅんこう)の転写本です。文政10年(1827)の夏から秋にかけて名古屋近在の村々で行われた御鍬祭の一場面です。本図は若者たちが白鼠に扮して大根を曳(ひ)く行列が描かれています。祭りには村々からさまざまに工夫を凝らした仮装行列や造り物が出されましたが、なかでも動物の仮装は人気だったようで、大きな桃を担ぐ猿や狐の嫁入りなどのユニークな仮装もみられます。ほかには巨大な鯨やおたふくの面などを担ぐ行列などがあり、その発想力には驚かされます。

【江戸時代 文政10-11年(1827-28) 名古屋市博物館蔵 会期中頁替】