千代田之御表 日光御社参図
三枚続 楊洲周延画
ちよだのおんおもて にっこうごしゃさんず
日光社参は、将軍が日光東照宮に参詣する儀式で、将軍家主催の行事として盛大に行われました。日光社参は毎年の行事ではなく、「御神忌(ごしんき)」と呼んで江戸時代を通じて十数回行われた盛儀でした。江戸滞在の大名は将軍の行事に参加する義務があったため、尾張家も御三家の一員として、将軍に従って日光に赴きました。本品には、最高の礼服である束帯(そくたい)を身に着けた将軍が拝礼を済ませ、神前から退出する姿が表されています。
【明治30年(1897)】