富嶽百景 初編
葛飾北斎画
ふがくひゃっけい しょへん
葛飾北斎が描く「七夕の不二(富士)」です(写真右ページ)。町中に立てられた笹が、富士よりも高く描かれています。江戸時代になると梶の葉の代わりに短冊に様々な願いを描き、笹や竹に吊るすことが主流になります。笹や竹は、冬でも枯れることなく緑を保つ植物として神聖視され、霊の依代(よりしろ)として神事に使用されました。年中行事でも、正月の門松(かどまつ)、左義長(さぎちょう)の三本の竹の柱、七夕の笹飾り、年末の煤払(すすはら)いの清竹など、様々な行事でみることができます。
【江戸時代 天保5-6年<1834-35> 名古屋市蓬左文庫蔵】