六美新図
歌川国貞筆
ろくびしんず
六人の美人が桜・杜若(かきつばた)・女郎花(おみなえし)・菊・白梅と四季折々の草花と共に描かれ、一部は年中行事を表しています。菊花を背景にした女性は元服(げんぷく)(成人した)後の武家女性とみられ、手にした盃(さかずき)には菊酒が注がれているのでしょう。9月9日の重陽(ちょうよう)の節供は、菊酒を飲んだり、菊の露で湿らせた綿で体を拭いて清めたりして、長寿を願う行事です。菊には、菊の露を飲むと不老長寿になるという中国の伝説がありました。
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【江戸時代 天保12年(1841)】