木曽海道六拾九次之内
上ヶ松
歌川広重画
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち
あげまつ
「木曽海道六拾九次之内」は保永堂版東海道とならぶ、広重の街道絵の代表的シリーズです。江戸から、大宮、高崎、軽井沢、諏訪から木曽路を経て岐阜へ、そして関ヶ原から大津へと向かう中山道(木曽海道)の各宿に取材しています。木曽福島の南、上松の宿の南にあるのが名瀑小野の滝です。橋の上から滝を眺める二人の旅人と、滝に無関心に柴を担いで通り過ぎる土地の人が描き分けられています。本品も尾張家13代慶臧(よしぐつ)の墓所におさめられていた副葬品です。
【江戸時代 天保6~8年(1835~37)頃 徳川美術館蔵】