東海道五拾三次之内
土山 春之雨(保永堂版)
歌川広重画
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち
つちやま はるのあめ(ほえいどうばん)
土山は鈴鹿峠を越えた山間の宿場で、多雨の地域として有名です。「春之雨」とあり、梅雨時の長雨のせいで川は増水し、流れを速めています。見どころはうつむきながら歩を進める旅の一行の姿です。背中の描写から、行列の人たちの足取りの重さや心の中が想像できます。
【江戸時代 天保3年(1832)頃 名古屋市博物館蔵】