許由巣父図
呉偉筆
きょゆうそうほず
筆者の呉偉(ごい/1459~1508)は、明時代の浙派(せっぱ)を代表する宮廷画家です。本幅は、帝堯(ぎょう)からその高徳を認められて天子の位を譲られるも固辞し、汚い話を聞いたとして川の水で耳を洗った許由と、そこへ牛に水を与えるために通りかかり、許由の耳を洗う理由を聞くと、汚れた水を牛に飲ませるわけにはいかないとその場を去った巣父を題材にしています。二人の野卑(やひ)とも言える顔貌には、山林で徳を磨き世俗を超越した隠士の気高さがうかがえます。
(展示期間:2021年11月13日~11月28日)
【明時代 15-16世紀】