花鳥図
伝周之冕筆
かちょうず
明時代の蘇州呉県(江蘇省)の花鳥画家・周之冕(しゅうしべん/生歿年未詳)の筆と伝わる花鳥画です。
本幅は、断崖から垂れ下がる梅樹にとまる5羽の雀、渓流の脇に鴛鴦(おしどり)と水仙・椿が描かれています。枝の表現に用いられた没骨法(もっこつほう)は周之冕作品にも見られますが、本幅は筆致が劣り、模倣作と見られます。懸崖(けんがい)と樹花・鳥禽・渓流を主要なモチーフとした構図には、明時代の花鳥画家・呂紀(りょき)からの影響がうかがえます。
箱の蓋裏には「寛政十一未年」(1799)と墨書があり、尾張家に収蔵された時期がわかります。
(展示期間:2021年11月30日~12月12日)
【明時代 16-17世紀】