君台観左右帳記<br />繪之筆者上中下<br /><small>  (「小河御所幷東山殿御餝圖」) <br />伝相阿弥編</small>

君台観左右帳記
繪之筆者上中下
 (「小河御所幷東山殿御餝圖」) 
伝相阿弥編
くんだいかんそうちょうき えのひっしゃじょうちゅうげ

本品は、室町幕府8代将軍足利義政(よしまさ/1436~90)の御所である小川殿と東山殿の座敷飾りに関する記述と図、中国の美術工芸品に関する知識の手控えで構成された、室町時代の御殿飾りの規式書、いわゆる「君台観左右帳記」の一つです。同様の伝本が多数存在しますが、特に本品は、尾張家の唐絵収集において参照されたと推測されます。
この中の宋元時代を主とする中国画家目録「繪之筆者上中下」は、室町時代以降の日本において、唐絵の評価の第一基準となりました。元時代に編まれた『圖繪寶鑑(とかいほうかん)』などが参照されているものの、評価を上中下に分類し、中国の画史に見られない画家の名が含まれるなど、日本独自の評価が反映されています。

【江戸時代 17世紀】