源氏物語絵巻
関屋 絵 復元模写
加藤純子筆
げんじものがたりえまき せきや
「関屋」は「源氏物語絵巻」のなかで、唯一、風景表現のある場面です。甲巻の巻末に位置していたこともあって、もっとも絵の具の剥落が顕著な場面でした。輪郭線に沿ってわずかに残る顔料や痕跡を確認して描写を検討し、絵の具の粒子の大きさや色にまでこだわった緻密な復元模写により、秋深まる逢坂(おうさか)の関で、光源氏の一行と空蟬(うつせみ)の一行が巡り合う情景が鮮やかによみがえりました。
【平成17年(2005)】