桜縁巴紋藤橘折枝散蒔絵乗物

桜縁巴紋藤橘折枝散蒔絵乗物 さくらぶちともえもんふじたちばなおりえだちらしまきえのりもの

桜縁巴紋は尾張家3代綱誠の側室・和泉専用の紋です。和泉は、綱誠との間に三男をもうけ、正徳3年(1713)に12男の継友が6代当主となると、同5年には「御実母様」から「泉光院様」と呼称が改められ、藩主の生母として尾張家の一員の扱いを受けました。
乗物は所用者の身分によって仕様が区別されますが、朱漆塗は類例がありません。いずれにしても蒔絵で装飾された女乗物は、最上級とされたことから、藩主生母の地位が高かったことがわかります。

【江戸時代 18世紀 建中寺蔵】