箏 銘 小町 そうめい こまち
尾張家初代義直の正室・春姫所用の箏です。春姫は、紀伊和歌山初代となった浅野幸長(よしなが)と池田恒興(つねおき)の娘との間に慶長7年(慶長8年とも)に生まれ、家康の婚姻政策により、慶長8年に当時4歳の義直と縁組し、同20年4月、大坂夏の陣の直前に名古屋城本丸御殿で婚儀が行われました。
春姫はよく箏をたしなんだといい、愛用の箏は小野小町の遺品とする記録もありましたが、大正年間の修理の際に甲裏に文字が発見され、肥前の大名有馬貴純(ありまたかずみ/生年未詳~1494)が娘の稽古用に作らせたと判明しました。
【室町時代 15世紀】