金聖像・牡丹蒔絵祠堂形厨子棚

金聖像・牡丹蒔絵祠堂形厨子棚 きんせいぞう・ぼたんまきえしどうがたずしだな

義直が名古屋城二之丸の庭園内に建てた聖堂に祀られていた儒教の聖像です。帝堯像のみ純金製で、大久保長安より没収した道具であり家康より譲られたとの書付が添っています。他の四像は金銅製で、金鍍金(きんめっき)が厚く施されており、義直が帝堯像に倣って製作させたと考えられます。寛永6年(1629)、林羅山は名古屋城を訪れた際に聖堂を礼拝し、蒔絵の厨子に安置された「金像ノ堯舜禹周公孔子」を拝したと記録しており、本品がこれらに当たると考えられます。近世儒教興隆期の最初期の聖像として貴重で、義直は儒教図像の確立に大きな役割を果たしました。

【江戸時代 17世紀】