徳川家康三方ヶ原戦役画像

徳川家康三方ヶ原戦役画像 とくがわいえやすみかたがはらせんえきがぞう

三方ヶ原合戦での敗戦直後の姿を描いたとされてきた家康の画像ですが、史料的な根拠はありません。近年では、尾張家の蔵帳には「東照宮尊影」とあり、江戸時代から家康像として認識されていたことは確かで、目を見開いて歯を見せる忿怒の表情、片足を上げて顔を頬にあてる半跏思惟の姿から、家康を武神として祀る礼拝像であったと指摘されています。本図は尾張家九代宗睦(むねちか)の嫡子・治行(はるゆき)の正室・従姫(よりひめ)が、紀伊家から嫁いだ安永9年(1780)に尾張家へ持参した品です。

【江戸時代 17世紀(展示期間:2021年7月17日~8月15日。8月17日からは模本)】