国宝
初音蒔絵櫛箱 はつねまきえくしばこ
寛永16年(1639)9月22日、三代将軍家光の娘・千代姫(ちよひめ)が尾張徳川家二代光友に婚嫁する際に持参した「初音の調度」の一つです。櫛を納める箱で、歯の粗密の異なる三ツ櫛一組のほか、壺櫛払二点、象牙櫛払一点、眉作筆柄四点、芯差二点、鋏一点が附属しています。元禄11年(1698)12月10日、江戸・市ヶ谷上屋敷で千代姫が亡くなると、遺体は将軍家の菩提寺・増上寺(東京都台東区)に葬られ、建中寺には光友により霊仙院(れいせんいん)殿霊廟が建立されました。千代姫の道具類は名古屋に送られ、本品は建中寺宝蔵へ納められました。
【江戸時代 寛永16年(1639)】