塩釉藍彩印花貼付人物文手付水指
(「阿蘭陀焼手附水指」)
えんゆうらんさいいんかはりつけじんぶつもんてつきみずさし
(「おらんだやきてつきみずさし」)
胴の側面に、型で別造りした人物文を貼り付け、ロータス文をスタンプで捺し、コバルト青料を塗ったドイツ製のフンペン(飲酒器)を、水指に見立てています。本水指のような精緻な貼付文を用いる「灰色藍彩炻器」はドイツからオランダやイングランドなどへ輸出された高級製品で、オランダ東インド会社では上等な贈り物として日本へ持ち込んでいたと考えられます。
尾張家では藩の公式な道具である「御茶器御道具」とされていました。また、蔵帳によれば、12代斉荘(なりたか)の治世に江戸へ移されて、斉荘の身近に置く「御側御道具」にされ、斉荘の歿後に再び名古屋へ戻されています。
【ドイツ 16世紀末期-17世紀前期】