肩衝茶入 銘 本阿弥<br />名物

肩衝茶入 銘 本阿弥
名物
かたつきちゃいれ めい ほんあみ

大形の肩衝(かたつき)茶入で、添えられた伝来書によれば、もともと尾張藩附家老・竹腰正信(竹腰家初代、1591~1649)が京都・本阿弥家から購入し所持していました。尾張家2代光友が本茶入を気に入り、写しの茶入を二つ作って竹腰正晴(竹腰家2代)へ下賜(かし)したため、「代わりに本茶入を献上するように」という内意を汲んで、竹腰家から光友へ献上されました。ところが江戸時代中期、蔵の中で本茶入は他の茶入と紛れてしまったため、竹腰正武(竹腰家5代、1709~59)に命じて同家に下賜された写しの茶入二つを持って来させ、本茶入を同定したといいます。藩の公式な道具のうちの御茶器として仕分けられていました。

【桃山時代 16世紀後期】