一の谷・屋島・壇の浦合戦図屏風
八曲一双
いちのたに・やしま・だんのうらかっせんずびょうぶ
右隻に一の谷合戦、左隻に屋島合戦と、壇の浦合戦が描かれています。本屏風の軍馬入り乱れあう群衆の多さと、その多様な姿態、そして緻密な描写は驚嘆に値します。最大の特徴は打ち捨てられた亡骸など凄惨な場面が多く描かれている点です。また、多くの源平合戦図屏風において壇の浦合戦が描かれていないのに対し、本屏風では一の谷から壇の浦合戦までのエピソードを網羅的に描き込んでおり、物語を逐一絵画化するような強い執着心が窺えます。
【江戸時代 17世紀 個人蔵(前期後期で隻替え)】