重要文化財
源氏物語絵詞
伝 冷泉為相筆
げんじものがたりえことば
白描の挿図のある『源氏物語』の写本です。もとは冊子本でしたが、「浮舟」の前半と「蜻蛉」の一部を合装した一巻に改装されています。なかに挿絵3図があります。絵は、特に細線を引き重ねて輪郭や目鼻に微妙なニュアンスをつける顔貌表現には、平安時代以来の様式的な伝統が示されています。源氏絵の現存作品としては、国宝「源氏物語絵巻」に次いで2番目に古い遺例です。
【鎌倉時代 13世紀 徳川美術館蔵】