市ヶ谷邸庭園「瀬芳」「舞鶴原」図
長谷川雪堤筆
いちがやていていえん「せほう」「まいつるはら」ず
市ヶ谷上屋敷庭園内西部にあった茶席「瀬芳」と、その前面に広がる「舞鶴原」、左手後方には台地縁に設けられた茶席「西南台」が描かれています。これまで箱の墨書より戸山下屋敷の庭園図とされてきたが、建物配置や空間構成から上屋敷庭園図と判断しました。作者の長谷川雪堤(せってい・1813~82)は、『江戸名所図会』の挿絵で知られる長谷川雪旦(せったん)の子で、名所絵を得意とし、写実的な風景画にも優れていました。『御本丸御普請御用別記』の記録より、尾張家の同朋格(どうぼうかく)として遇されていたことが判明しました。
【徳川家寄贈 江戸時代 19世紀 徳川美術館蔵 展示期間:10/10~10/28】