市買御屋敷惣指図 いちがやおやしきそうさしず
最古の市ヶ谷上屋敷図面です。東を御殿空間、西を庭園空間とし、周囲は家臣居住地の御長屋が取り囲んでいます。御殿南側が政庁・2代光友(みつとも・1625~1700)の御殿で、北に正室千代姫(ちよひめ)の御守殿(ごしゅでん)、御守殿南東部に三男の義昌(よしまさ)御殿、政庁東側に二男の義行(よしゆき)御殿が建てられていました。この御殿群は天和3年(1683)の大火で悉く焼失しました。本図は色紙を添付して空間を表す貼絵図(はりえず)の手法で製作されています。この手法は18世紀初頭を境に用いられなくなり、以後は直接台紙に描く書絵図(かきえず)が主流となります。
【江戸時代 寛文10年(1670) 徳川林政史研究所蔵】