紅葉に縞文字模様小袖
玉子縮緬地
もみじにしまもじもようこそで
友禅染めの直線に対し、絞り染めの紫色はほとばしる流水を思わせます。万葉仮名の文字が繡い取られており、春道列樹(はるみちのつらき)が志賀(滋賀)の山越えで詠んだ「山河に風のかけたるしからみは 流れもあへぬ紅葉なりけり」(『古今和歌集』秋下/百人一首)とわかります。文字は、肉太の重厚感ある流麗な書体で、文様に埋没することなく存在感を放っています。松坂屋コレクション。
【江戸時代 18世紀 J.フロントリテイリング史料館蔵 展示期間:9/9~10/8】