隆房卿艶詞絵巻

重要文化財

隆房卿艶詞絵巻 たかふさきょうつやことばえまき

平清盛の娘婿でもあった藤原隆房(たかふさ・1148~1209)と美女小督(こごう)の悲恋を主題に情緒深く表現した絵巻で、やわらかで流麗な墨の線描により、詩情に満ちた絵四段に描き出されています。本品は、四季の景物を情趣豊かに織り込みつつ、平安時代以来の歌絵の伝統を踏襲した白描絵巻の名品で、詞書料紙には13世紀末頃から盛行した金銀泥による景物画の下絵がみられ、清楚な画趣と相まって、より叙情的な作品となっています。

【鎌倉時代 13~14世紀 国立歴史民俗博物館蔵】